営業職は、20代の方でも成績を上げれば給与に反映されやすい一方で、転職する方が多い職種という印象があります。

近年では、転職することが珍しくなくなり、20代の営業マンの転職も良くあることのように感じられます。

20代という若さで営業マンから転職する際には、30代以降も活躍できるフィールドを選び、営業の経験を活かせることを意識した業界や職種選びが重要です。

20代の営業マンがどんなタイミングで転職を決意するのかや、30代以降も意識したいポイントを解説していきます。

20代営業マンが転職を決意する理由

20代で営業職に就くと、よほど営業職が合う方ではない限り、営業職の難しさや自分の能力の未熟さを感じることでしょう。

営業職はさまざまな業界で需要があり種類も多いうえ、業界や企業ごとに異なる営業スタイルがあるといっても良いほど複雑な一面を持っています。

そのせいか、営業職は大変だという声もありますが、反対にやりがいがある職種だという声も少なくありません。

多くの20代営業マンも日々プレッシャーを感じながら働き、やりがいや今後の課題を実感していますが、中には転職へとシフトする方もいます。

ここでは、20代営業マンが転職を決意する理由について解説していきます。

ノルマが厳しく労働が結果につながらない

営業職は、業界にもよりますが毎月のノルマがあることが多い仕事です。

そのため、常に売上げなどの数字と期限までの時間に追われて、プレッシャーを感じながら働くことがほとんどです。

自分自身に厳しく負荷をかけることにやりがいや達成感・成長などを感じる方がいる一方で、負担やストレスに感じて気持ちが休まらないと感じる方もいます。

営業職は自分の成績が部署内で可視化されることや、ノルマを達成できないと肩身の狭い思いをすることから、社内にいるだけで圧力を感じやすいのです。

ですから、営業職の転職の理由の中で最も多いのが、ノルマを達成できないこととなっています。

成績を上げても正当な評価をしてもらえない

営業職では、ノルマを達成するのが当たり前といった風潮があるので、「達成して素晴らしさ」よりも「達成しなかったこと」の方が目立つ傾向にあります。

そのため、毎月ノルマを達成していれば注目されにくくなり、成績を上げているのにしっかり評価してもらえないといったことがあるのです。

20代の若手営業マンの場合、一生懸命がんばって上げた成績が正当に評価されないと、仕事に対するモチベーションを保つのが難しくなるでしょう。

評価制度について上司に相談する方もいますが、思うように評価につながらない場合は転職を考える方が多いです。

仕事や接待などで時間に余裕がない

営業職は、日中の営業活動のほかに夜間の接待なども行うことがあります。

夜間の接待は、基本的に勤務時間以外で行われるため、プライベートな時間がなくなることに悩みを抱える方が多いです。プライベートな時間が確保できないと、心身共に余裕がなくなってしまいます。

あまりに余裕のない状態になると、日中の営業活動にも支障がではじめ、以前のように成績を上げられなくなることもあるでしょう。

このままの状態では八方ふさがりになるばかりだと気が付いたとき、転職を決意する方が多いです。

20代営業マンが転職するメリット6つデメリット3つ

20代の営業マンが転職するとき、どんなメリットがあるか知っていますか。

20代という年齢、営業職からの転職という条件の下、転職する上でのメリットやデメリットはしっかり押さえておきたいところです。

実際に転職する前に、20代の営業マンが転職するときの4つのメリットと2つのデメリットを解説します。

20代営業マンが転職するメリット6つ

まずは、メリットから確認していきましょう。

1.20代は実績よりもポテンシャル(成長分)を重視してもらえる

20代のうちは、もともと持つ潜在能力や今後の成長分が期待されるので、転職が成功しやすいです。

年齢を重ねていくと人は自分なりのやり方や、今までやってきたやり方にこだわる傾向が強くなり、柔軟さに欠けることがあります。

その点、20代だと柔軟に対応して職場のやり方を覚えてもらえると期待され、採用してくれる企業が多いのです。

2.未経験の業界や職種にも転職しやすい

20代の前半から中ごろまでにかけてなら、未経験でも転職できるチャンスが豊富です。

業界や企業によっては新卒や第二新卒扱いとされたり、転職後は新人として丁寧に指導してもらえたりすることもあります。

営業職から異業種への転職を考えているなら、なるべく26~28歳くらいまでの間には転職するのが良いでしょう。

3.第二新卒枠で転職できる可能性がある

第二新卒の定義は明確になってはいませんが、「1度新卒として就職したものの3年以内に離職し、現在就職活動中の方」と考えることが一般的です。

この条件に当てはまる方なら第二新卒枠での転職が可能となります。

第二新卒は、新卒よりも育成するのにコストがかからないため、積極的に採用する企業が増えています。

一般枠で転職活動をするよりも有利に進められることから、条件に当てはまる方は第二新卒枠を利用しない手はないでしょう。

4.入社3~5年以上の20代後半ならキャリアアップのための転職もあり

入社して3年~5年が経過すると、新人を教育する立場になる方も出てきます。

ある程度のキャリアや経験を積んだこのタイミングなら、キャリアアップのための転職も可能となるでしょう。

この場合、異業種に転職してしまうとこれまでの経験が評価されない可能性があるものの、同じ営業職への転職なら即戦力として採用されることが期待できます。

5.同じ営業職なら正当な評価を期待できる

同じ営業職に転職する場合、社風や上司が違えば前職よりも正当な評価をしてもらえることが期待できます。

転職先の企業を選ぶ際は、口コミや評判を確認し、評価制度がどうなっているかチェックしてから応募するのがおすすめです。

6.接待が少ない業界を選べばプライベートも充実できる

転職先に接待が少ない業界や職種を選ぶことで、アフター5は自分の時間として過ごせるようになります。

これまで営業マンとして接待が多かった方は、接待がない業界や職種を選ぶと良いでしょう。

プライベートが充実すると、仕事のストレスも発散しやすく、仕事にも張り合いが持てるようになります。

20代営業マンが転職するデメリット3つ

続いては、デメリットを一緒に確認していきましょう。

1.20代前半なら即戦力としての採用は期待できない

20代でも前半の方は、同じ営業職に転職しようとしても即戦力として採用される可能性は低いので、年齢による柔軟性や成長力に期待しての採用がメインになります。

そのため、第二新卒と同じような扱いになることが多く、採用されたとしても早期に責任ある仕事を任されるようなことは少ないです。

場合によっては前職よりも給与が下がる可能性もありますので、事前にしっかりとリサーチを行い確認するようにしましょう。

2.継続して働いてもらえるか不安を与える

20代での転職は、さまざまな事情があるとしても「またすぐに辞めるのではないか」という不安を企業に与えてしまいます。

これまでの社会人経験が浅いため、どんなに長く働くと言っても仕方がないのですが、企業側が不安に感じる気持ちも理解することが大切です。

そのため、面接では、

  • 転職理由
  • 何をしたいのかなどの転職軸
  • 応募企業との一貫性

を考えて対応できるように準備しておくと良いでしょう。

3.転職のタイミングによっては年下上司の元で働く可能性がある

転職のタイミングが20代中ごろから後半の場合、転職先の上司が年下というケースがあります。

企業によっては入社から2~3年で役職に就く方もいるので、20代中ごろ以上で転職した場合は年下上司の可能性も十分考えられます。

年下上司からの指示に従えるかどうか、自分と向き合って考えておきましょう。

20代でも後半なら30代以降のことも踏まえたライフプランを考えるタイミング

20代の営業マンからの転職でも、20代後半の方は年収やキャリアアップのほかにも考えたいことがあります。

20代後半から30代・40代の人生には、主に4つのライフイベントが発生する可能性があります。

  • 結婚
  • 出産
  • 育児
  • 子どもの進学

自分は結婚しないから大丈夫と思っている方でも、親の介護やマイホーム取得などさまざまなイベントが発生する可能性があるのです。

20代後半というタイミングだからこそ、30代以降のライフプランを真剣に考えてみてください。

例えば、産休・育休など結婚後の働きやすさはどうか、マイホームを購入する予定がある方は予算や企業の将来性など、さまざまな角度から考えてみましょう。

将来のライフプランを考えていくと、今後、自分に必要となるスキルや資金などが見えてくるはずです。

いつごろまでにどうしたい、何歳ごろまでに何が欲しいなど、たくさんある方は紙に書きだすのも良い方法です。

おおよそのライフプランができたら、目標達成時から今の自分まで逆算して考えてみてください。

40歳で3,000万円のマイホームを購入したい場合、今から毎月いくらの貯金をしていけば頭金が貯まる、といった感じで具体的に必要なスキルや資金を視覚化していくのです。

のちのち管理職として活躍したいと言う場合は、コミュニケーションスキル・トラブル対応力・コーチングスキルを高めるために今から社内外の研修を受ける、といった風に考えていきます。

目標達成のために今からやるべきことは何か考えるとともに、20代後半での転職先は、ライフプラン上の目標を達成する条件が整う企業を選ぶようにしましょう。

ライフプランを考えた転職をすれば、30代以降は地に足を付けて働けるほか、将来的に再度転職するとしてもしっかりした目的をもって転職できるようになります。

営業経験を活かせる職種とは

営業職から転職するとき、同じ営業職ではなく別の職種を希望する方も少なくありません。

ですが、営業職で培った経験が活かせない職種では、一から学び直すことになってしまい不安も付きまといます。

では、営業職から別の職種に転職するのは厳しいのかというと、そんなこともありません。営業職では主にコミュニケーションを軸に働くため、その経験を活かせる職種が豊富にあるのです。

特にコミュニケーションスキルが高い方は、どの職種でも歓迎されるため異業種でも活躍できるチャンスがあるでしょう。

ここでは、営業経験を活かせる職種について解説していきます。

事務職

営業職から事務職への転職は、一見すると無謀なように見えても、営業で鍛えてきたコミュニケーションスキルや細やかな配慮を活かした働き方ができます。

事務職には、3つの種類があり、この中では仕事の幅が広い一般事務や、営業活動全般に関わる営業事務がおすすめです。

  • 一般事務
  • 経理事務
  • 営業事務

ただ、求人数が多くはないのでその点では若干狭き門といえるでしょう。

PCスキルがあり柔軟な対応が取れる方なら、チャレンジする価値がある職種です。

企画職

企画職は営業職と仕事内容が似ている部分が多く、転職する方も多い職種です。

企画職のメイン業務

  • 市場や商品のリサーチ力
  • 商品企画・開発
  • 販売促進
  • 営業企画
  • 広告や宣伝
  • 広報やPR

社内でのコミュニケーション能力は高いほど良く、論理的思考(ロジカルシンキング)ができる方は重宝されます。

また、枠にこだわらない発想ができ、段取りも組めるようなクリエイティブな方も歓迎傾向です。

これらのスキルは営業職での経験を応用できる部分が多いので、転職後の活躍が期待できます。

マーケティング職

マーケティング職は、営業職から転職するには少し難易度が高くなるものの、市場調査や分析をするのが得意な方なら転職成功の可能性が高い職種です。

マーケティングとひと口にいってもピンとこない方もいるかと思いますが、簡単に例えるなら「営業は戦の最前線で戦う戦士のようなポジション」で、「マーケティングは戦況を把握して指揮を執るポジション」になります。

そのため、20代でも多くの営業活動を経験した方で、市場調査や分析が得意ならマーケティング職にチャレンジすることも可能でしょう。

ただ、営業職よりも新しいツールやシステムの導入が多く、スピード感ある意思決定が多いため、それについていく柔軟さやフットワークの軽さも求められます。

別の商材の営業

20代営業マンが転職するなら、同業他社への転職が最もスムーズな印象です。

前職と同じ営業職を続けることにはなりますが、他社の別の商材ともなれば営業スタイルも違ってきます。

営業スタイルが違うと、仕事に新鮮さを感じ新しく学ぶこともあるため心機一転して取り組めます。

また、個人営業だった方は法人営業に、外回りが多かった方は内勤営業にと、同じ営業でも環境を変えるだけで随分違うでしょう。

これまでの営業経験も活かせる部分も多いので、他の職種にイマイチ魅力を感じられない方は、同じ営業でも異なる種類の営業に目を向けるのも良い方法です。

20代営業の転職を成功させる4つのポイントをチェック

20代の営業職から転職するには、メリットもデメリットもそれぞれあります。

デメリットを気にして転職を我慢するよりも、転職を決意したなら一つひとつ丁寧に準備を重ねて、転職が成功するようできる限りの努力をするのみです。

そこで、20代営業マンが転職を成功へと導くために、これだけはしっかり押さえておきたい4つのポイントをおさらいしていきましょう。

自分のスキルを明確に把握する

営業職としてこれまで働きながら習得したスキルには、どのようなものがあるでしょうか。

もともと人と接することが好きな方でも、ビジネスとしてのコミュニケーションスキルを学んだという方も多いことでしょう。

営業職としてのキャリアの長さに関係なく、下記のように自分の良さを自分で知ることが大切です。

  • 営業職で習得したスキル
  • 他の職種に活かせるスキル
  • 得意なこと

話はいつも聞き役だから、アピールできるスキルがないかも… という方は、人の話を傾聴できると言いかえるのも1つの方法です。

自分を振り返り、どんなスキルがあるのかをしっかり把握し、できることなら更なる磨きをかけておくことをおすすめします。

営業で培った経験を活かせる職種に転職する

営業で培った経験、それはビジネスマナーや各種スキルを学んだほかに、多くの顧客と接する上で学んだことも含まれています。

  • 現場での交渉経験
  • 提案力
  • ニーズの把握
  • 顧客や同僚へのサポート力
  • 人脈

これらを活かせる職種がいくつもあるので、転職先を選ぶ際は慎重に調べて決定するのがおすすめです。

自分がどんな仕事をしたいかを考えて検討してみてください。

志望動機はしっかり考えてわかりやすく伝える

志望動機は、応募した企業で働きたいのかを伝える部分で、面接の際には自社をどれほど理解しているか、入社意欲の高さはいかほどかを判断されるところです。

待遇が良いから、タイミングよく求人が見つかったから、というような志望動機は完全NGです。具体的かつ熱意が伝わりやすい内容となるよう、意識しましょう。

これまでの経験を自分の武器としてアピールしつつ、それをどんなところに役立つかを添えて、転職後の働き方を考えていることも伝えるようにすることをおすすめします。

また、なぜこの企業を選んだのか、理念や社風などを参考にこの企業でなければならない理由をアピールするのも良い方法です。

そのほかでは、事業内容や商品・サービスへの共感や、入社後にどんなことをやりたいかもおすすめのアピール項目です。

20代の転職はマイナスのイメージを持たれることもあるので、志望動機は考えに考えを重ねた内容を伝えるのが良いでしょう。

個人で求人応募するより転職エージェントを利用しよう

20代の営業マンが転職を決意したなら、個人で求人を探すのも良いですが、これまでのキャリアを最大限に活かすためににも、転職エージェントの利用をおすすめします。

転職エージェントは、利用者の経験やスキルを丁寧にヒアリングして、より活かせるような転職をサポートしてくれます。

また、年収などの待遇面でも前職より良い条件となるよう交渉してくれたり、自分では気づかない魅力やスキルを発掘してくれたりするので利用しない手はありません。

複数の転職エージェントを利用することで、幅広い求人の中から選りすぐりの1社を選ぶことも可能となります。

在籍中から転職エージェントに登録して、良いところが見つかったら具体的に行動するという使い方もできるため、転職しようと思ったらすぐに登録するのがおすすめです。

20代営業職からの転職はスキルの把握と将来を考えた準備が必要

20代の営業職からの転職は、都合が悪くなったらすぐやめるのでは? という不安を企業に与える部分があるものの、しっかりと準備して挑めば転職を成功させることができます。

営業職を勤めた経験で培った自分のスキルを、きちんと把握することからはじめましょう。

スキルの把握に自信がない方は、転職エージェントを活用してください。

不安な気持ちや、今後求める待遇など細かいところまでサポートを受けられます。

また、将来のライフプランを考えて、今すべきことを逆算してみることも大切です。

さまざまな角度から自分を見つめることで、本当にやりたい仕事や転職先の条件、自分が補うべきスキルなどが見つかります。

その上で転職先を絞り込んでいけば、きっと良い求人が見つかるはずです。

20代だから、営業職からだからと不安になることは山ほどありますが、取り組んできたことは嘘をつきません。

面接の際には自信を持って臨み、自分なりの精一杯を伝えるようにしましょう。