今の時代、よっぽど転職先に狙いを定めていない限り直接企業へ応募する方は極少数派、転職サービスへの登録が儀式化しているともいえます。

ただ、最近の転職サービスは種類が多すぎる。

選択肢のパラドックスといって、選択肢が多ければ多いほど人間は不幸を感じやすくなってしまうのです。

「いざ、転職しよう!」と意気込んでも、立ちはだかるのは溢れ変えるほどの転職サイト・転職エージェント。

「もうわかんない、面倒くさい…。」選択肢の多さは、せっかくの決意を容易く無気力に変えてしまいます。

まさに転職サービスの選択肢は飽和状態。

そこで大変な取捨選択のお手伝いとして、人材サービス会社に勤めていた筆者の意見を参考に、ぜひこのページを活用してみてください。

転職サービスが2種類ある理由

あなたは転職サービスを使いこなせていますか?

転職サービスには、大きく分けて転職エージェント・転職サイトの2種類があります。

簡潔にまとめると、転職エージェントとは「応募から採用まで、アドバイザーのサポートを受けられるサービス」、転職サイトとは「求人を載せるための掲示板」です。

どうして2種類あるかというと、普段買い物をするときにネットショッピング・実店舗を使い分けるように、 転職サービスも使い分けることで効率よく転職できるシステムが整っているからです。

普段の日用品の買い足しならネットで、実際に見て判断したいなら実店舗、自然とあなたは使い分けているはずです。

転職サービスも同様「履歴書の書き方もわからないし、プロに相談したい」という方は転職エージェントを利用すればいい、「転職エージェントを介すのは面倒、自分のペースで進めたい」という方は転職サイトを使えばいい。

でも正直、それだけでは使いこなせているといえません。

というのも、サービスの裏事情を知ることでもっと有利に、ある意味ではずる賢く使えてしまうからです。

そこで転職エージェントを使って採用する企業、転職サイトを使って採用する企業という2つの視点からその真相を探っていきましょう。

「転職エージェント」を使う企業の特徴

ではまず、転職エージェントを使う企業にはどのような意図があるのでしょうか。

企業が転職エージェントの力を借りるには、紹介手数料(転職者の年収の30~35%程度)を支払う必要がありますが、そんな多額の手数料をかけてでも利用する企業は数多くあります。

その理由には、以下の事情が挙げられます。

有名企業の中途採用

有名企業は黙っているだけでも応募者が集まってきます。

これが誰の目にも触れる大手転職サイトに掲載されていたら、福袋を買い占めんばかりに人が殺到してしまうのです。

人事がパニックにならないためにも、エージェントサービス特有の非公開求人を利用して事前に応募者を絞るという対策をとります。

知名度の低いベンチャー企業

一方で有名企業とは真逆、知名度の低いベンチャー企業は、求職者へ積極的にアピールしないと閑古鳥が鳴くこともしばしばあります。

そこでエージェントの力を借り、求人を多くの人に見てもらう機会を増やしています。

良い人材は転職エージェント経由に多い

多くの人材サービス会社では、事前に社内選考で求職者を絞ってから企業に人材を紹介します。

一度このワンクッションを挟むことで、企業側は一定のレベルを持つ求職者を集められるのです。

マッチング度が高く採用効率がいい

急な人員募集でもすばやく求職者を確保、しかも優秀な人材に出会いやすく企業へのメリットはてんこ盛り。

エージェントへの報酬を差っ引いたところで、これらのメリットを考えると結果的にコスパが良いと判断する企業が多いのです。

「転職サイト」を使う企業の特徴

一方、転職サイトを利用する企業はまた事情が変わってきます。

若い世代を大量に採用したい

就活では転職サイトで一括応募・一括採用の文化が根付いているように、若い世代は転職サイトで募集をかける傾向にあります。

というのも、基本的に20代の若者に求められているのは熱意やポテンシャル。

20代の採用はこれまでの経験やスキルを採用のふるいにかけることも少ないため、とにかく応募者の母数を集めたい企業の理にかなっているといえます。

採用コストを抑えらえる

もし転職エージェントを利用して年収500万円の人を採用した場合、紹介手数料は150~175万円ほど。なかなかの金額を支払うことになります。

転職サイトに掲載する場合でも掲載料金が発生しますが、大手求人サイトに4週間の掲載で20万円前後、その費用の差は歴然です。

しかし転職サイトで応募者を集められなければ長期間に及んで掲載料金を支払わなければならないので、結果的に費用がかさむリスクもあり見極めが難しいところです。

転職サービスの賢い使い方

裏事情を踏まえた上で、どんな状況の転職に共通していえるのは、人気企業を狙うなら転職エージェントを使うべしということです。

「でも、転職エージェントってしつこく連絡してくるし何だか面倒…。」と思っている方、少し視点を変えてみてください。

「この人をうまく紹介できればがっぽり報酬が貰えるぞ!」とあなたへ期待を寄せているから積極的なアプローチが来るのです。

筆者も人材サービスの会社に勤めていたとき、この人はいける!と思ったら、大手も人気企業もガンガン求人を紹介しました。しつこく思われようが、こちらもノルマや成績のために必死なのです。

つまり、それだけ人気の求人や目につかないような求人を紹介してもらえるチャンスが増えるということ。

転職エージェントに使われるのではなく、あなたが転職エージェントを使いこなすことができれば、転職の幅はぐんと広がります。

そこで重要になってくるのが、「どの転職サービスを選ぶか」です。

場違いな転職サービスに登録してしまっては書類選考さえ通らなかったり、エージェントにほったらかしにされたりと散々な目に合う可能性もあります。

下記の情報と自分の状況・希望する転職先を照らし合わせて、チャンスが眠っていそうなサービスに複数登録してみましょう。

▶20代全般向け

20代全般向けのサービスには、転職サイトに付随してエージェントサービスがついているもの、転職サイトの2種類があります。

エージェントサービスには、一様に応募書類の添削・面接対策が含まれています。

転職エージェント・転職サイト 一体型

リクルートエージェント

業界最大手。同社提供のリクナビNEXTと同時登録できる。

dodaエージェントサービスだけでなく、企業から直接スカウトを受けられる。
マイナビエージェント未経験から応募しやすい求人を掲載。同社のマイナビ転職とは登録が別。
マイナビジョブ20’s第二新卒・既卒に強いサービス。精密な適性診断を受けられる。

 

転職サイト型
ミイダス企業からのスカウトを待つシステム。アプリの取得が必須。
エン転職エージェント・企業の双方からスカウトを受けられる。

リクルートエージェント

多くの非公開求人を保有しており、求人件数はダントツNo.1になります。

No.1ということは、それだけ幅広い情報を持っているということ。リクルートエージェントはまず登録必須のサービスといっても過言ではありません。

また「職務経歴書エディター」という、スマホでサクッと応募書類を作れてしまう便利なツールも提供しています。

doda

求人件数はリクルートに次いでNo.2です。

求人の内訳として、50%以上がエンジニア職(SE、Webエンジニア、建設、機械・電気など)を占めているため、エンジニアの転職を考えている方には最適でしょう。

ただ求人情報のメールが大量に送られてくるので、必要に応じてメール設定を変更することをおすすめします。

マイナビエージェント

上記の2社と比較して、未経験でも応募しやすい求人、中小企業の求人を多く取り扱っています。

利用している企業も採用基準として経歴よりも人柄を重視する傾向にあり、早期退職してしまった方、第二新卒など経験の少ない方も利用しやすいサービスといえます。

マイナビジョブ20’s

若年層向けのマイナビグループの中でも、さらに第二新卒・既卒をメインターゲットとしています。

サービスを利用するにはまず適正検査が必須ですが、これがかなり精密、かつ結果をもとにキャリアアドバイザーとの面談を進めるので、希望に合う求人に出会いやすいです。

しかし面談場所が東京・名古屋・大阪と限られており、3都市以外の方は電話面談がメインとなるので要注意です。

ミイダス

ミイダスは「ひたすら待つ」転職サイトです。

会員登録の段階で自分の適正年収・市場価値を把握できるほか、希望条件を入力しておけば企業から面接確約のオファーが飛んできます。

逆にオファーが来なければ自由に応募することができないので、受け身で転職したい方、他のサービスと併用して使いたい方に最適といえます。

エン転職

自由に応募ができ、気になる企業を登録しておけば「応募歓迎」のオファーが来るなど、自分のペースで転職を勧めたい方にピッタリのサービスです。

また応募先企業の一次面接の内容を見られる「面接対策レポート」というコンテンツがあり、面接が不安な方にとって頼もしい味方となります。

ただマイナビなどと比較すると求人数は半分程度に落ちてしまうので、こちらも他のサービスとの併用をおすすめします。

その他の全般向けサービス

転職エージェント・サイト一体型転職サイト型
パソナキャリアリクナビNEXT
type転職エージェントマイナビ転職

▶経歴の少ない第二新卒・フリーター向け

経歴に自信のない第二新卒・フリーター向けのサービスは、転職サイト型がほとんどなくエージェント型が主流です。

転職エージェント型
ハタラクティブ正社員経験ゼロの完全未経験から応募できる。
ジェイック未経験者に特化しており、書類選考なしで20社の面接が受けられる。

ハタラクティブ

内定者の3人に2人が正社員経験なし、という未経験特化型のサービスです。サポートが丁寧であると好評で、就職成功率も80.4%と高確率。

しかし応募のハードルが低い分、求人の質はそれほど高くないので希望通りの就職が叶うかは保障できません。

あくまで「正社員として働きはじめる第1歩」と捉えられれば、理想とのギャップも小さくできるでしょう。

ジェイック

一言でまとめると、学校みたいな転職サービスです。

無料の就職講座が充実しており、応募書類の添削や面接対策はもちろん、企業研究・自己分析・ビジネスマナーまで同じ境遇の人と肩を並べながら学ぶことができます。

ただ営業職の求人が大半を占めているため、幅広く求人を見たい方には物足りないかもしれません。

その他の第二新卒・フリーター向けサービス

転職エージェント型転職エージェント・サイト一体型
就職shopRe:就活
キャリアスタート
DYM就職
ウズウズ

▶20代ハイクラス向け

ハイクラス向けのサービスには、転職エージェント・サイト一体型、転職サイトの2種類があります。

転職エージェント・転職サイト一体型
JACリクルートメント外資系企業の管理職・専門職を目指せる。

 

転職サイト型
ビズリーチ求人の3割が年収1000万以上。一部有料。

JACリクルートメント

コンサルタントが外国人またはバイリンガルという徹底ぶりで、外資・グローバルの転職に強いサービスです。

通常のエージェントサービスではコンサルタントと求職者は1対1ですが、JACでは1人の求職者に複数人のコンサルタントがついて最適な人材を提供してくれます。

どれもハイクラスの案件なので、第二言語やマネジメント経験、海外勤務経験といったある程度のキャリアがないと、そもそも求人を紹介してもらえない可能性があります。

ビズリーチ

自由に応募ができるほか、登録した職務経歴書をもとに企業から直接、またはビズリーチのヘッドハンターからスカウトを受けられる仕組みとなっています。

届くスカウトのレベルから自分の市場価値を把握できるため、転職先の指標を図るのにも役立ちます。

また無料で閲覧できる求人は限られており、月額制の有料プランに登録することでサービスを最大限に活用できるでしょう。

その他のハイクラス向けサービス

転職エージェント型転職サイト型
career carverAMBI

▶専門職向け

大手サービスにも専門職の求人はありますが、正直なところあまりおすすめはできません。

というのも、大手エージェントは業界の専門家ではないので知識が浅くミスマッチが起きやすい、大手サイトは求人数自体が少ないという欠点があるからです。

そこで役立つのが専門職向けのサービスで、その多くが転職エージェント型サービスを提供しています。

IT・Web業界

Geekly

転職エージェント・サイト一体型。IT・Web・ゲーム業界に特化しており、未経験者の支援体制も整っている。

Green

転職サイト型。IT・Web業界に強く、大手の案件は少ないもののベンチャー企業の求人は充実している。

外資系

ロバートウォルターズ

転職エージェント・サイト一体型。ある程度のキャリアを持ち、語学力を活かして転職したい方におすすめ。

保育士

保育ひろば

転職エージェント型。保育士・幼稚園教諭のためのサービスで、利用者の満足度94%と高評価。

アパレル業界

クリーデンス

転職エージェント型。求人数が圧倒的に多くエージェントの提案力も高い反面、地方の求人が少ない。

女性向け

女の転職type

転職サイト型。残業少なめ、育児と両立など女性ならではの条件で求人を探せる。企業からのスカウトも受けられる。

その他の専門職サービス(転職エージェント型)

ITエンジニア・クリエイターレバテック
看護師看護のお仕事
介護きらケア
薬剤師薬キャリ
医者M3キャリア

2~3種類の利用がベスト

ここでご紹介しただけでも、23種類のサービスがあります。

冒頭で述べた裏事情を踏まえながら、自分のキャリア・転職目的を交えて2~3種類のサービスを選んでいきましょう。

あれもこれもと登録すると情報がパンクしてしまうので、このくらいがちょうど良いです。

うまく活用すれば自力では手の届かない企業に転職するチャンスを掴めることも。ときには面倒なこともありますが、その先に理想の転職先が待っているかもしれません。

あなたの転職のバイブルとして、この記事をご活用いただければ幸いです。