労働者派遣法の改正の概要や影響、今の働き方で大丈夫?

労働者派遣法の改正の概要や影響、今の働き方で大丈夫?

2015年に労働者派遣法は改正されました。

正社員として働いている人はもちろん、派遣社員として働いている人ですら、どんな内容に改正されたのか知らない人は多いかと思います。

それどころか、改正があったことすら知らないなんて人も多いかもしれません。

この改正によって、多かれ少なかれ影響がありますから、しっかり理解しておきましょう。

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労働者派遣法改正の概要

では、まずは簡単に労働者派遣法改正の概要について紹介していきます。

詳細は、厚生労働省の労働者派遣法 改正法の概要に記されていますが、その内容を改正していきましょう。

労働者派遣法改正の目的

今回の派遣法改正の目的は、「派遣社員の雇用安定、キャリアアップの為」とされています。

派遣社員は期間の決まった有期雇用であり、雇用は不安定となってしまいます。

また、待遇も悪く、正社員に比べて低い給料で働くことがほとんどで、年齢が高くなってきても給料は増えていきません。

そういった派遣社員の状況を少しでも改善することが、労働者派遣法の改正の目的となっています。

改正労働派遣法の施行日

今回の改正労働者派遣法は、2015年9月11日に成立し、2015年9月30日から施行されました。

内容によっては、猶予期間を与えられている場合もありますので、各内容について解説する際に記載します。

労働者派遣法の改正内容

では、具体的に労働者派遣法の改正内容について紹介していきましょう。

全ての労働者派遣事業が許可制に

労働者派遣事業は元々、一般労働者派遣事業と特定労働者派遣事業に区別されていました。

一般労働者派遣事業の場合、派遣元に常時雇用される必要はない為、登録型派遣がこれにあたります。

この場合は、元々事業者は厚生労働大臣に許可を貰う必要がありました。

一方で特定労働者派遣事業の場合、ある特定の業種(IT、機械など)で、かつ派遣元に常時雇用されていることが条件となります。

常時雇用ですから、派遣元に正社員として雇用され派遣先の会社が見つからない場合でも給与は支払われます。

特定労働者派遣の場合、元々は許可を必要とせず、届出のみで可能でした。

しかし、今回の改正によってその区別は廃止され、すべての派遣事業が許可制になりました。

ただし、現時点で特定労働者派遣事業を行っている人は2018年9月29日までは、従来通り許可無しで事業を営むこととが可能となっています。

派遣期間制限の変更

従来、派遣社員は最大3年、専門業務の26業務(※1)については期間制限無しとなっていました。

しかし、今回の改正により、どんな業務であっても同じ組織内では最大3年という期間制限が適用されることになりました。

同じ会社であっても、人事部で3年、営業部で3年のように組織が変われば働くことは可能ですが、

人事部という同じ組織内で3年以上働き続けることはできません。

※1 26業務

  • ソフトウェア開発
  • 機械設計
  • 放送機器等操作
  • 放送番組等演出
  • 事務用機器操作)
  • 通訳、翻訳、速記
  • 秘書
  • ファイリング
  • 調査
  • 財務処理
  • 取引文書作成
  • デモンストレーション
  • 添乗
  • 建築物清掃
  • 建築設備運転、点検、整備
  • 案内・受付、駐車場管理等
  • 研究開発
  • 事業の実施体制の企画、立案
  • 書籍等の制作・編集
  • 広告デザイン
  • インテリアコーディネータ
  • アナウンサー
  • OAインストラクション
  • テレマーケティングの営業
  • セールスエンジニアの営業、金融商品の営業
  • 放送番組等における大道具・小道具

引用:政令で定める26業務

雇用安定措置

派遣社員として働く最大のネックが、雇用の不安定性です。

派遣期間が終わってしまうと、次の仕事があるかわからない。

将来に不安を感じながら働いている人は多いでしょう。

その対策として改正されたのが、この雇用安定措置です。

派遣会社は、同じ組織に1年以上派遣される見込みがある場合に、雇用安定の為に以下の措置を講じなければなりません。

  1. 派遣先への直接雇用の依頼
  2. 新たな派遣先の提供
  3. 派遣元事業主による無期雇用
  4. その他雇用の安定を図るために必要な措置

3年間同一組織に派遣された場合には義務、1年以上3年未満の場合には努力義務となります。

キャリアアップ措置

派遣社員の将来への不安を軽減させる目的で、キャリアアップ措置も追加されました。

派遣会社は教育訓練、キャリアコンサルティングを実施することが義務化されました。

具体的に以下の内容となります。

キャリア形成支援制度

・ 派遣労働者のキャリア形成を念頭に置いた段階的かつ体系的な教育訓練の実施計画を定め ていること。

  1.  実施する教育訓練がその雇用する全ての派遣労働者を対象としたものであること。
  2.  実施する教育訓練が有給かつ無償で行われるものであること。 (4の時間数に留意)
  3.  実施する教育訓練が派遣労働者のキャリアアップに資する内容のものであること。 (キャリアアップに資すると考える理由については、提出する計画に記載が必要)
  4.  派遣労働者として雇用するに当たり実施する教育訓練(入職時の教育訓練)が含まれ たものであること。
  5.  無期雇用派遣労働者に対して実施する教育訓練は、長期的なキャリア形成を念頭に置 いた内容のものであること。

・ 教育訓練の時期・頻度・時間数等

  1.  派遣労働者全員に対して入職時の教育訓練は必須であること。キャリアの節目などの一 定の期間ごとにキャリアパスに応じた研修等が用意されていること。
  2.  実施時間数については、フルタイムで1年以上の雇用見込みの派遣労働者一人当たり、 毎年概ね8時間以上の教育訓練の機会を提供すること。
  3.  派遣元事業主は上記の教育訓練計画の実施に当たって、教育訓練を適切に受講できるよ うに就業時間等に配慮しなければならない。

引用:厚生労働省「労働者派遣法 改正法の概要

均等待遇

派遣先の会社では、正社員の人と全く同じ仕事をしているのに、給料は全然違う。

そういったことがよくあることです。

ただ、改正前から待遇については同種の業務に従事する労働者との均衡を考慮しながら賃金等を決定するように配慮しなければならないとされています。

今回の改正によって、待遇確保の為に考慮した内容を本人に説明する義務ができました。

労働者派遣法改正によってどうなる?

労働者派遣法の改正の概要について説明してきましたが、問題は今後どうなっていくかということです。

雇用は安定する?

今回の改正の目的である派遣社員の雇用安定。

本当に雇用は安定するでしょうか。

上記で紹介した雇用安定措置ですが、3年未満であればあくまで努力義務です。

また、直接雇用を依頼した場合でも、派遣先の会社が断ればそれで終わりです。

派遣先の会社にとっては、また次の派遣社員を入れればいいだけですから、なかなか直接雇用するという判断には至らないでしょう。

26業務として働いていた人は、影響が大きいかもしれません。

もともとは期間制限がなかった為、派遣社員であっても3年置きに会社を変える必要がありませんでした。

しかし、3年という制限がついた為、必ず今の仕事は辞める必要がでてしまいます。

専門業務ですから、専門性を見出されて3年を超えてもずっと居てほしいからと直接雇用につながる人もいるかもしれませんが、逆に3年で切られてしまう人も多いでしょう。

派遣事業は健全化する?

派遣会社にはブラック企業も多いというのはよく言われます。

今回、届出制が廃止され、許可制のみとなりましたが、これで派遣事業の健全化は実現できるでしょうか。

確かに表面上は厳しくなったかもしれませんが、実際に守るかどうかが焦点です。

労働基準法がありながら、それに違法しているブラック会社が多い中で、本当に機能するかは少し疑問です。

法律は制定するだけでなく、その後の取り締まりもしっかり行わなければ、あまり意味のないものになってしまいます。

キャリアアップ

キャリアアップ措置として、様々なことが義務付けられたことはよいことです。

何もないよりは、あったほうがいいでしょう。

ただ、その教育等によって本当にキャリアアップに繋がるかは、厳しい部分もあります。

正社員への転職に役立つようなものは、なかなか身につかない気がします。

均等待遇なんてありえる?

正社員と同じ仕事してるなら、同じ賃金であるべきだ!

そうあるべきであっても、間違いなく差はつけられます。

正社員との均等待遇はほぼありえないと思ったほうがいいです。

今回では説明する義務が設けられましたが、あの手この手を使ってくるでしょう。

会社、環境に身を委ねてはいけない

もし、いつかは正社員として働きたい、もっと安定した働き方をしたいと考えているならば、自分から動くようにしてください。

もしかしたら直接雇用してもらえるかも、法律がもっと良い方向に変わってくれるかもしれない、そんな淡い期待は今すぐ捨てなければなりません。

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